このページでは株立ち作りの方法をご説明します。

まず、株立ちには下記のように2つのパターンがあります。

①本株・・・本株は1本の木をある程度の太さまで成長させて
      根元からバッサリと切ります。
      そうすると、その切ったところから芽が出てきます。
      これを「ひこばえ」を呼びますが、これを生育させて株立ち状に
      仕立てた状態を「本株」と呼びます。
      当方で販売している山採り株はこの「本株」になります。


②寄せ株・・・複数の苗木を数本寄せて株立ち状にしたもの


今回は「寄せ株」の作り方をご紹介したいと思います。

基本的に難しい事は無く複数の苗木を寄せて作るだけです
この寄せ株なら自分だけのオリジナル植木を作る事が出来ます。
本数の多く立っている株立ちや希少な樹種、またはソヨゴの様に
雄雌が分かれている樹種で雌木となると数万円と結構良い値段がする
株立ちも寄せ株なら数千円で株立ちを作る事ができます。

例えば、ソヨゴの株立ちを作るとします。
ソヨゴは雌雄異株といって雄、雌が別々に分かれている木になります。
雄木と雌木が近くにあれば受粉しやすく実つきが良くなりますが
寄せ株ですと、これを1つの株立ちにする事が出来ます。
やはりソヨゴといえば赤い実ですので雌木になる赤い実を
鑑賞ポイントとして株立ちを作るとします。
外側に実のなる雌木を5本ぐるっと円を描くように植えます。
そしてその真ん中に雄木を入れます。
こうする事によって外側から見えるのはきれいな赤い実がつく
ソヨゴの株立ちとなります。

他には成長の異なる樹種を寄せて作るのも良いと思います。
例えばアオダモとナツハゼの混合株は大変良いですよね。
ナツハゼの方が成長は遅いので、アオダモの下草のような
イメージでナツハゼを一緒に植えてあげると
里山の自然な風景を作りだす事が出来ます。
 

 


それでは簡単に植え付け方法をご説明します。
今回は鉢植えで寄せ株をしてみたいと思います。
画像の苗木はエゴノキになります。
植え付け用の用土は当店オリジナルの培土を使用しております。
自分で配合して作る場合には、根張りを促進させるようなフカフカな
土づくりをおすすめ致します

堆肥類を入れる場合は、植え付けの1週間ぐらい前にはつくって
土となじませておく必要がございます。 


 

 

まず、植えるポット苗の根にハサミで切れ込みを入れます
こうする事で根の張りが良くなります。
大体、4か所ぐらい切れ込みを入れますが根がもっとまわっている
場合は6か所ぐらい切れ込みを入れも良いです。


 

 

植える苗木の根を切ったら次はお好みの樹形になるよう
配置します。画像では5本の苗木をぐるっと円を描くように
配置しました。もっと苗木と苗木の間隔を狭くしたい場合は
ポットの土を落としてくっつけて配置すれば
間隔が狭くなり見栄えも良くなります。
この時ポットの土を半分以上落とす場合には、落葉期や紅葉期の
時期に行う方が木にストレスを与える事なく出来ますので
ご注意いただければと思います。
1/5程度土を落とすのであればいつの時期でも大丈夫です。


 

 

そして土を入れます。
今回は鉢植えでの寄せ株ですので少し苗木の深さを深めに入れました。
少し深めに植えないと風ですぐに倒れてしまう事がございますので
これぐらいの深さが良いかと思います。
お庭で植え付けする時は地面の高さととポット苗の土の上の部分が
同じぐらいかもしくは少しだけ低くなるようで大丈夫です。


 

 

これで完成です。
簡単に株立ち風の寄せ株が出来ました♪

あとは今後の管理です。
今赤いテープをぐるっと回していますが、この部分に
均一に肥料を与えます。
寄せ株はそれぞれ違う苗木を寄せていますので
肥料を片寄って与えてしまうと、その片寄ったところの
苗木だけ成長が良くなってしまいますので
肥料を与える時には均一になる様に与えて下さい。
大体、春~お盆前に与えると伸びが良くなりますので
この間に1~2回追肥として肥料を与えて下さい。
あとは殺菌剤・殺虫剤の散布です。
1ヶ月に1回程度散布してあげれば虫もつきづらくなりますし
葉の状態を良い状態で保つ事が出来ますのでより良い生育が望めます。


 

 

画像はソヨゴの寄せ株になりますが、ソヨゴのように苗木のうちから
少し曲がりが出やすい木は支柱をすればよりきれいに樹形を作る事が出来ます


こんな感じのご説明とさせていただきますが他に何かご不明な点などございましたら
お気軽にご相談下さい♪オリジナルの植木づくりはやってみると本当に楽しく
既に出来上がった株立ちを購入するより何倍も愛着が出てきます。
是非この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか!!